生物多様性(biodiversity)

この頃「生物多様性」という言葉をよく耳にするようになってきた。よくわからないが「地球上の多種多様な生物をちゃんと守っていきましょう。」というようなことなのかなと思う。今の地球上では、すごい勢いで多くの種が絶滅していっているらしい。そのことで何が問題になってくるかというと、全ては生態系に関わってくるのだそうである。人も生態系の中にあるわけで、生態系のバランスが崩れると本来、生態系から得られているサービスを受けることができなくなっていくということになる。多種多様な種が共存する中でバランスが保たれているのだ。これを企業活動に置き換えてみると、自分の周りに同じ種(感性や意見・考え方)をもった人ばかりを集め、異なる種の人材の意見や考え方を遠ざける人がいたりする。わかりやすく言えば、yesマンばかりを周囲に配置するということになる。そうなると、何をするにも議論できず新しいアイデアや工夫が生まれてこない、企業としてのバランスが悪いといえるのではないかと思う。いい意味で自分とは異なる異質な人材も受け入れることのできる許容能力が必要なのだと思う。少人数の企業にはあまり関係ないように思えるが、取引先やいろいろなパートナーにも言えることだと思えるので、やはり大切だと思う。時にはグイグイ引っ張るいい意味でのワンマンは必要だが、そうはいっても聞く耳をもち、情報を精査し高いレベルでの判断能力と周囲への愛情がいると感じる。

話を元に戻すと、最近では、生物多様性(生態系や種の保存)に配慮をした運営をする企業には、金利を優遇するという銀行もあると聞く。やはり、生活を便利に物質的に豊かにするという目的の元に良しとされてきた、20世紀型の企業活動によって自然が破壊されてきたこれまでの在り方が、180°変わろうとしているということだろう。少しづつ意識は変わってきていると思うが、大量生産・大量消費から高品質・長寿命消費というのが益々必要な気がする。いいものを買い長く使うことで、生産し売る側も付加価値の高く品質のいいものを作り続けることができるのではないかと思う。そのことで少しは、産業廃棄物やエネルギー消費を減少させ環境へもつながっていくのではないかと感じる。と言いつつ、なかなかできないのも事実ですけどね。

富山に住んでいると自然から得られる豊富な食材。海の幸でいえば「蛍烏賊(ホタルイカ)」や、これから脂がのって美味しくなる「寒鰤(かんぶり)」などが獲れなくなったら、こんなに不幸なことはありませんよね。富山に生まれ、富山で育ったことに心から感謝!ありがとうございます。

専務取締役 大島秀紀

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