入梅

6月10日は二十四節節気の「入梅(にゅうばい)」。暦の上での梅雨入り、梅の実が黄色く色づき梅雨入りする頃を示すそうだ。その入梅に合わせるように6月9日(土)に北陸地方も梅雨入りをした。先人の人々は一年の節目をなんとも美しく表現したものだ。二十四節気をみていると、そのほとんどが生活と密着している。特に農業(稲作)との関わりが深く、その節目節目が農家にとってはとても重要な基準であったことが見て取れる。近頃の日本と言えば、TPP問題をはじめとして、すべてが第2次産業である製造業が中心。農業が常になおざりな扱いを受けている感じがする。経済の中心が工業製品の輸出であるからであることもわからないではないが、食糧自給率が50%を切っている先進国は、日本(40%以下)以外ないのも事実。フランス、カナダ、アメリカなどは100%を超える輸出国。他の国々はやはりベースが農業ににあるのだ。昨今のエネルギー問題もさることながら、人のエネルギーである食料を自給できていないのは、さて、いかがなものか。さらに、TPPでは、その自給率低下を加速させる可能性もある。絶対反対もしないが、エネルギーでも海外依存、鉱物資源でも海外依存、食糧でも海外依存、これ以上首根っこを掴まれて身動きができない状況になれば、将来どうなるのかわかりそうなもんだけど…。国民を守るという一番大切な仕事を、時の政治家と経済界のドンの皆様に望みます。

エネルギーのことをはもちろん、国民と正面からの議論をしないまま、いろんなことが既得権益最優先で結論付けされていかないといいのですが…。「雨降って地固まる」ということわざもあります。国内でちゃんと議論とバトルをし尽し、膿を出し切った後の決定であれば、国民も理解し納得するのではないでしょうか?

雨が降り、畑の野菜が元気に育ってくる季節。未来にある実りが豊作であることを願います。

専務取締役 大島秀紀