「売れる」と「売る」

モノが売れない時代です。サービス業はサービス価値が下がり、本当にサービスとなってしまっている。モノを売るにもこれまで以上のサービスとアイデアと努力が必要なようだ。先行き不透明というか先行き不安で、消費しようとしないのは誰もがわかっている。そんな状況の中でも調子のいい企業もあるのだから不思議なものだ。以前、こんな話を聞いたことがある。「売れる」と「売る」の違いである。「売れるもの」は世の中のニー ズにあって評価されているもの。「売るもの」は、これからニーズをつくって市場を開拓するものか、もしくはなかなか売れないものを、販売する人の能力で セールスするもの。つまり、「売れる」はなにもしなくてもある程度成果が上がるもので、「売る」は何らかの努力をしていかないと成果が上がらないと考えればわかりやすい。どちらがいいとかわるいとかではなく、まず、企業として努力しなければいけないことは「売れるモノやサービスや仕組み・システム」をつくること。個人として努力しなければいけないことは「売る能力」をつけていくことであろう。もちろんいい商品であることは前提である。かといって、一長一短 に画期的なものが生まれるわけではない。大企業のように潤沢な研究開発予算があるわけでもない。であれば、今ある商品を磨き改善して価値を維持したり、高めていくことがとても大切だと感じる。それにより、「売れなかった」や「売りにくい」がプラスに転じるのではないかと感じる。先にも書いたが、こんな状況 の中でも調子のいい企業はある。時代を把握し、アイデア満載の企画を考え、自社や自分の特長を把握し生かしている。まずは、自社や自分の棚卸をしてみよう。強みや弱みがわかるかもしれない。はたまた磨けば光りそうなものが見つかるかもしれない。そして、自分の考えをまとめよう。そのあとは、社内や関係者にどうしたら売れると思うのか伝えよう。改善を求め、自らが売りやすくする努力をするのも売る能力である。そして、誰かと話をすれば小さな光が見えてくるかもしれない。まずは今できる最善の努力をしよう。自らも肝に銘じて意識していこうと思う。

専務取締役 大島秀紀

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