雪吊

師走。12月に入るとなんとなく忙しなく感じるのはいつもながら不思議な感覚だ。街にはイルミネーションが輝き、冬を楽しむ雰囲気も盛り上がる。ここ富山を含めた北陸地方は雪が多い地域とされ、空は鉛色という印象が強く、確かにこの季節の太平洋側とは大きく異なる。その気候により、富山の人はとても我慢強く、勤勉、努力家が多いともいわれ、華やかではないがいい人材が多数輩出されている。ただ、観光スポットとしては敬遠される傾向にあり、残念ながらこの季節の富山と言えば、「氷見の寒鰤(かんぶり)」ぐらいしか思いつかないのもさみしい。お隣の石川県金沢市は加賀の文化が色濃く残り、城下町として栄えた歴史ある都市。また、温泉地も和倉温泉、山城温泉、山中温泉などもあり、冬と言えども観光客はとても多い県として人の行き来が多い。とりわけ、日本三名園として名高い兼六園では雪の重みから木を守るために「雪吊」をする。この光景は風情がありそして美しい。アートに近いと感じることさえある。最近は特に昔から受け継がれている美しい光景や、自然のままの風景、姿に惹かれる。

兼六園の雪吊

少しづつ求めるものが変化しているのだろうか。

最近はブータン国王夫妻の来日で「幸福度」ということに何かと注目が集まっている。日本人は幸福ではないということでしょうか…。何はともあれ楽しくあるために、なにが本当に必要で、なにが不要なのか取捨選択が必要ですね。

美しい風景や伝統、文化は未来へ残していきたいものです。

専務取締役 大島秀紀

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